2012年11月27日

不動産業者(宅建業者)の説明義務

不動産業者(宅建業者)の説明義務

不動産業者(ここでいう不動産業者については宅建業法3条参照)は、取引の関係者に対し、信義を旨とし、誠実にその業務を行わなければならないとされています(宅建業法31条)。





そして、売買契約の媒介においては、売買対象物における重要事項につき調査し、委任者に告知すべき義務があります。

不動産業者が仲介をする場合には、媒介業者として、土地や建物を購入しようとする買い主に対し、重要な事項を書面に記載し、これに基づき説明する必要があります(宅建業法35条)。

なにが重要事項なのか、というのは明確な決まりがあるわけではありません。

しかし、一般には「隣地との間の境界に争いあり」とか「マンション管理金の滞納あり」という事項が重要事項のよくある例です。

また「未成年の子供の同居禁止」とか、「過去に自殺者あり」というものについても、重要事項とされるともいえるでしょう。



結局のところ、「そのような事情があるのであれば、当該物件は購入しなかった(借りなかった)」といえるだけ買い主(借主)にとって当該契約締結にあったって重要視される事項を重要事項というものといえます。

そして、このような重要事項は、買い主(借主)が物件を選定する際に重要な判断基準となるものですから、売主や仲介業者としては、しっかりと説明して、買い主(借主)に納得していただいたうえで売買契約をするようにと決められているのです。

また、重要事項については必ず書面で説明するようにし、後日「言った言わない」のトラブルにならないようにさせています。



裁判例で認められた重要事項

(1)賃貸マンションにおいて、賃借人に暴力団組員がいるのか否かについて、重要事項として調査する義務があることを認めた事案(東京地判H9.10.20)

(2)マンション(耐火性が建築基準法上求められている)の一部が木造部分の建築基準法上の違法建築であることについて、仲介業者に告知義務があるとした事案(横浜地裁H9.5.26)

(3)土地売買にあたって、根抵当権設定登記が付せられていることを調査しないまま売買契約を仲介したとして、債務不履行責任を認めた事案(東京地判H8.7.12)

(4)建物賃貸借において、差押登記の付せられていることを調査しないまま仲介したとして、調査義務違反を認めた事案(東京地判H4.4.16)

(5)土地売買において、行政指導による建築制限の存在についての説明義務違反を認め、債務不履行による解除を認めた事案(東京高判H2.1.25・大阪高判S58.7.19)

(6)取引物件たる土地が売買時の現状で住宅等の建築用敷地となりうるものでなければならないのに、宅地造成等規制法及び建築基準法上の制限事項を確認せず漫然と現地の案内をし、物件説明書でも右制限事項が付いていないとして売買契約の媒介をしたとして、不法行為責任を負うとした事案(東京高裁S57.4.28)

(7)宅地建物取引業者が宅地造成の目的でする山林の売買を仲介する場合には、買主に対して交付すべき物件説明書に都市計画法、森林法などの法令に基づく制限の記載欄があり、かつ、目的たる山林が山間地に所在していて森林法による保安林の指定が推測される場合には、登記簿上の地目が保安林でなく、また現地に保安林指定の標識がないときであつても、宅地建物取引業者には、所轄機関に照会して右山林について保安林の指定があるかどうかを調査すべき注意義務があるとされた事案(最判S55.6.5)


ラベル:宅建業者
posted by naiyou at 22:41| 大阪 ☀| Comment(0) | 不動産業者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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